前回の記事で「青物で初めて鬼締めを試している。しかも内臓を残したまま。まだ食べていない」と書きました。
その結果が出たので、報告します。
結論から言うと——味の違いは、正直よく分かりませんでした。ただ、まったく別のところに大きなメリットがありました。そこが今回いちばん伝えたいことです。
前回の釣行の様子は【長崎】ネリゴ36cm|スピンブレードのただ巻きに書いています。

🚨 先に大事なこと|内臓を残すのは、真似しないでください
この記事はあえて条件を厳しくした検証です。読む前に、これだけ先に書かせてください。
青物には、アニサキスがいる可能性があります。そしてアニサキスは、魚が死ぬと内臓から身のほうへ移動することが知られています。厚生労働省も「新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く」ことを呼びかけています。
つまり内臓を残したまま置くのは、本来やってはいけないことです。
もうひとつ、内臓の色素が身に移りやすいという問題もあります。見た目にも味にも良くありません。
今回それをやったのは、鬼締めがどこまで効くのかを、悪い条件で見たかったからです。結果的に腐ってはいませんでしたが、おすすめはしません。
普段は、できるだけ早く内臓を出してください。とくに青物・青魚は。寄生虫の話は釣った魚の寄生虫|黒い粒は無害、白い糸は要注意にまとめています。
なお今回は、捌いたあとにブルーライト(アニサキスライト)を当てて確認しています。下の写真がそれです。光る寄生虫は見当たりませんでした。
ただしライトで見つからなかった=いない、とは言い切れません。身の奥に入り込んでいれば光っても見えません。あくまで「できる範囲の確認はした」という話です。

やったこと|内臓を残したまま、密閉した氷で34時間
おさらいです。鬼締めというのは、氷を袋に入れて密閉し、溶けた真水が魚に触れないようにする冷やし方です。
今回はそこに、条件をひとつ足しました。内臓を出さずに、そのまま34時間置いたんです。
普通なら内臓は早めに出します。傷みの原因になるからです。それをあえて残したのは、どこまで効くのか、厳しい条件で見たかったからでした。

34時間後の状態|思ったよりずっと良かった
| 見るところ | 34時間後の状態 |
|---|---|
| 目 | 澄んだまま |
| エラ | 赤いまま |
| 匂い | 魚本来の匂い。おかしな臭さはなし |
| 腹の中 | 内臓に変化なし。臭くもなかった |


正直、内臓を残したまま34時間置いたら、腹の中がやられているだろうと思っていました。
でも開けてみたら、変化がありませんでした。もちろん魚本来の臭みはありますが、「傷んでいる」という感じではまったくなかったです。
目が澄んでいて、エラが赤い。この2つが34時間たっても保たれていたのは、素直に驚きました。
上の写真は釣って2時間後と、34時間後の目を並べたものです。並べてみると、ほとんど変わっていないのが分かると思います。
⚠️ 反省|血抜きが甘かった
良かったことばかりではありません。
捌いてみて分かったのですが、血抜きがあまりできていませんでした。

この日やったのは、脳天締めとエラ切りだけです。尾は切っていません。僕はこれまで、尾を切るのは60cm以上の魚だけと決めていました。36cmなら不要だろう、と。
でも今回の結果を見て、考えを変えました。次からは、このサイズでも尾を切って、首を持ってフリフリしてみようと思います。
鬼締めで冷やし方を変えても、その前の血抜きが甘ければ意味が薄れます。順番としては、まず血抜きです。
刺身|少し臭みがありました
半身を刺身にしました。

正直に書くと、少し独特の臭みがありました。強烈ではないのですが、気になる程度には。
原因は、さっき書いた血抜きの甘さだと思っています。もうひとつ考えられるのは、36cmと小型だったこと。青物は小さいと脂が乗りきっていないぶん、独特の風味が出やすい気がします。
臭いときの対処法|塩水でさっと洗う
こういうとき、僕がやっている方法があります。
塩水を作って、刺身をさっと洗うだけです。
濃さは海水くらい(3〜4%)。真水で洗うと身が水を吸って水っぽくなるので、必ず塩水にしてください。塩3~4g/水100ml
これでかなり臭みが取れます。オオモンハタを食べたときにも同じことをしていて、刺身が苦手な人でも食べられるくらいにはなります。
しゃぶしゃぶ|昆布出汁で、これは好評でした
残りはしゃぶしゃぶにしました。出汁は昆布です。
これが好評でした。刺身で気になっていた臭みも、火を通すことできれいに消えています。
小型の青物で「刺身がいまいちだな」と感じたら、しゃぶしゃぶは有力な逃げ道です。無理に刺身で食べきろうとしなくていいと思います。
⭐ 結論|味は分からない。でも「翌日に捌ける」が想像以上だった
肝心の味の違いですが、正直に言うと分かりませんでした。
前のやり方(ただ冷やすだけ)と食べ比べたわけではないので、当然といえば当然です。「はっきり違う」と書けたら気持ちいいのですが、感じなかったものは感じなかったと書きます。
ただ、まったく別のところに大きな価値がありました。
① 翌日に捌けるアドバンテージが、とにかく大きい
釣りから帰ってきた日に、無理して捌かなくてよくなりました。
これは前にも書きましたが、実際に34時間置いてちゃんと食べられたことで確信に変わりました。目が澄んでいて、エラが赤くて、匂いも普通。この状態なら安心して翌日に回せます。
② 副産物|ゴミ出しの曜日に合わせて捌ける
これは自分でも意外だった発見です。
魚のアラや内臓は、放っておくとすぐ臭くなります。夏場は特にひどい。ゴミ収集が2日先だと、それまで家に置いておくことになります。
ビニールを2重にして密閉しても臭ってきます。
でも捌くタイミングを自分で選べるなら話は変わります。ゴミ出しの前日に捌けばいいんです。
鮮度を保つために始めたことが、家の臭い対策にもなった。正直、これは考えていませんでした。
準備も楽でした|凍らせたペットボトル+海水
やり方も紹介しておきます。難しいことはしていません。
- アクエリアスを凍らせて持っていく
- クーラーに入れて、釣り場で釣れたら海水を入れる
- 袋氷の場合氷は袋のまま。溶けた真水が魚に触れない
この方法、いいところが3つあります。
- 行きの荷物が重くない(氷を別に持たなくていい)
- 釣れなかったらクーラーが汚れない(海水を入れなければいいだけ)
- 水を凍らせておけば、溶けた水を手洗いに使える
3つ目は、飲み物ではなく水を凍らせた場合の話です。魚を触った手を洗ったり、まな板を流したり、釣具の応急処置で塩抜き用。地味に使えます。
凍らせたペットボトルの使い方は釣った魚の持ち帰り方にも書いています。
残りの半身は、いま熟成中です
半身は食べずにそのまま熟成させています。
内臓は取りましたが、頭は残したままです。こうしておくと目の澄み具合が観察できるので、日が経つごとにどう変わるかを見ています。
結果が出たら、また記事にします。
まとめ
- 内臓を残したまま34時間置いても、腹の中に変化はなかった(ただしアニサキス対策としては非推奨。真似しないでください)
- 目は澄んだまま、エラも赤いまま、匂いも普通
- 血抜きは甘かった。次は36cmでも尾を切ってフリフリする
- 刺身は少し臭みあり。3〜4%の塩水で洗うと取れる
- しゃぶしゃぶ(昆布出汁)は好評。臭みも消えた
- 味の違いは分からなかった。正直に書いておきます
- でも翌日に捌けるのが想像以上に大きい
- 副産物でゴミ出しの曜日に合わせて捌ける=家の臭い対策になった
- 鬼締めは続けます。めっちゃ楽でした
締め方と冷やし方の全体は青物の締め方と持ち帰り方にまとめています。この記事の内容も、そちらに反映していきます。



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