マゴチの捌き方と食べ方|刺身は塩が合った。45cmを丸ごと使った記録

頭を落としたマゴチ 釣り魚レシピ

長崎の堤防で釣れた45cmのマゴチを、家に持ち帰って捌きました。釣ったときの様子は2日続けて朝マズメに入った釣行記に書いています。

マゴチは「ヒラメより美味い」と言われることがある魚です。ただ、実際にまな板に乗せてみると、そのおいしさより先に捌きにくさのほうが印象に残りました。トゲが多く、頭の骨が硬く、骨の付き方も他の魚と違う。そもそもまな板に寝かせることができません。

この記事では、45cmのマゴチを実際に捌いた手順と、刺身・煮付けで食べた感想を写真付きで残しておきます。初めてマゴチを持ち帰る人が、包丁を入れる前に読んでおくと手が止まらずに済むはずです。

まな板に乗せた45cmのマゴチと包丁
持ち帰った45cmのマゴチ。ここから捌いていきます

マゴチを捌く前にやっておく3つのこと

いきなり包丁を入れると高い確率で手を切ります。先に済ませておくことが3つあります。

1. トゲをハサミで落とす

マゴチはとにかくトゲが多い魚です。背ビレはもちろん、エラ蓋にも、頭にもトゲがあります。素手で押さえた瞬間に刺さります。

マゴチのトゲの位置を赤丸で示した図。背ビレ・エラ蓋・頭
頭にもエラ蓋にもトゲ。ここを素手で押さえると刺さります

なので自分は、包丁を持つ前にキッチンバサミでヒレとトゲを全部切り落とします。これが捌く前の最初の作業です。ここを飛ばすと、このあとの工程で常に手の置き場を気にすることになります。

キッチンバサミで切り落としたマゴチのヒレとトゲ
包丁を持つ前にハサミで切り落としたヒレとトゲ

2. 締め方|頭の骨の付け根から、斜めに脳へ

マゴチは頭の骨が硬く、締めにくい魚です。甲羅のような硬さで、真上から脳天を狙ってもうまく刃が入りません。キジハタやカサゴとも締める位置が変わるので、魚ごとの違いは根魚の締め方|先にトゲを切る。ハタ・カサゴ・マゴチで違う締める位置にまとめました。

自分がやっているのは、頭の骨(甲羅のような部分)の付け根の頂点から、斜めに脳へ向けて刃を入れる方法です。角度をつけると硬い部分を避けて届きます。

マゴチを締める位置を示した図。頭の骨の付け根の頂点から斜めに脳へ
締める位置。頭の骨の付け根の頂点から、斜めに脳へ向けて刃を入れます

3. 魚に当てる水は全部「塩水」にする

これはマゴチに限った話ではありませんが、自分は魚に当てる水を全部、塩水にしています。ボウルに水と塩を入れて、海水くらいの濃さの塩水を作ってから捌き始めます。

ボウルに水と塩を入れて作った塩水
ボウルに水と塩。捌き始める前に作っておきます

真水で洗うと身が水を吸って、味がぼやけます。血合いを落とすときも、身を洗うときも、この塩水を使います。捌き始める前に作っておくのがポイントで、途中で作ろうとすると手が汚れていて面倒です。

マゴチの捌き方|45cmを五枚おろしにした手順

ウロコを引く

トゲを落としたら、ウロコを引きます。マゴチのウロコは細かくて薄いので、ゴリゴリ削るというより撫でるように落ちていきます。

このとき水道水は使いません。ウロコが付いたままで問題ありません。

マゴチのウロコを引いた後の魚体
ウロコを引いた後。細かくて薄いウロコです

エラと内臓を取る

カマの部分から包丁を入れて、エラを外します。

マゴチのカマに包丁を入れてエラを外す
カマの部分から包丁を入れてエラを外す

そのまま腹を開いて内臓を取り出します。マゴチは腹の中が思ったより長いので、後ろのほうまでしっかり開いたほうが取り残しがありません。

マゴチの腹を開いて内臓を取り出したところ
腹を開いて内臓を取り出したところ

取り出したら、背骨に沿った血合いを塩水で洗います。

塩水で洗ったあとペーパーで水気を取ったマゴチの身
塩水で洗ったあとは、ペーパーで水気を必ず取ります。

頭を落とす

頭を落とすのがマゴチで一番力がいる工程です。前述の通り骨が硬いので、力任せに押すと包丁が滑ります。カマの形に沿って、関節を探しながら入れていきます。

マゴチの背骨まわり。骨の付き方が独特
頭を落とす前。背骨の周りの骨の付き方が独特です
マゴチの頭を落としたところ
頭を落とす。ここが一番力がいる工程でした

三枚に下ろす(腹身のあたりは五枚おろし)

ここが一番マゴチらしいところです。ヒラメとは捌き方が違いますが、腹身の付近は五枚おろしにしています。背側と腹側で身の付き方が変わるので、一枚で剥がそうとすると身が残ります。

骨の付き方も少し変わっていて、背骨から出ている骨の角度が他の魚の感覚と違います。包丁を当てる角度を何度か探りながら進めました。

五枚おろしにしたマゴチの身と中骨
下ろした身と中骨。腹側は五枚おろしにしています

腹骨などを削ぎ、皮を引く(皮は硬い)

腹骨などを削ぎ落とし、サクにしてから皮を引きます。

サクにしたマゴチの身
サクにしているところ

マゴチの皮は硬いです。今回はそのまま捨ててしまいましたが、後から考えると湯引きして食べてみてもよかったかもしれません。次に釣れたら試します。

刺身用に切り分けたマゴチの身
サクにして皮を引いた腹身の部分4枚

マゴチの捌き方が「難易度高め」な3つの理由

1. 横長の体型で、まな板に寝かせられない

マゴチは正面から見ると横に平たい体型をしています。普通の魚のように横倒しにしても安定せず、立ててさばきます。部位によってはコロコロ動きます。押さえる手に力が入り、そこにトゲがあるので余計に気を使います。なのでトゲは先に切っておくのが良いです。

2. 頭の骨が硬い

締めるときも、頭を落とすときも、この硬さがずっとついて回ります。甲羅のような感触で、刃が当たると跳ね返されます。

3. 骨の付き方が独特

アジやハタを捌いた感覚のまま包丁を入れると、思っていない場所に骨が当たります。特に腹側。ここで無理に押し切ろうとすると身が崩れるので、五枚おろしにしたほうが結果的にきれいに取れました。

食べてみた|刺身と煮付け

刺身|淡白で上品。塩で食べてもおいしかった

サクにした身を、薄めに切って刺身にしました。プロがやるような薄造りまではできていませんが、それでも普通の刺身より薄く引いています。

皿に盛り付けたマゴチの薄造り
薄めに切った刺身。フグに近い弾力がありました

食べてみるとフグに近い弾力がありました。噛むと押し返してくる感じで、厚く切ると噛み切りにくいだろうなという歯ごたえです。薄く切って正解でした。

味は淡白で上品。脂でうまさを押してくるタイプではなく、身そのものの甘さで食べさせる魚です。だから醤油だと少し味が勝ちます。塩で食べたほうがマゴチらしさが出ました。

煮付け|一緒に煮たキジハタに軍配

同じ日に釣れたキジハタと一緒に、アラを煮付けにしました。

結論から言うと、煮付けはキジハタのほうがおいしかったです。マゴチも悪くはないのですが、キジハタの身のほろっとした感じと比べると、少しパサつきを感じました。弾力がある魚なので、加熱すると身が締まりすぎるのかもしれません。

煮付けの作り方と、2種類を同じ鍋で煮たときの話は根魚の煮付け|キジハタとマゴチを一緒に煮て分かった、下処理とアラの話にまとめています。

尻尾側は熟成中

今回食べたのは刺身と煮付けだけで、尻尾に近い部分はまだ捌かずに熟成させています。

ラップで包んで熟成させるマゴチの尻尾側
尻尾側はまだ捌かずに熟成中(上:キジハタ、下:マゴチ)

弾力の強い魚なので、寝かせたらどう変わるのかが気になっています。ネリゴを5日半寝かせて食べ比べたときは日数で明確に味が変わったので、マゴチでも差が出るはずです。結果が出たら追記します。

「ヒラメより美味」は本当なのか

マゴチを調べると、よく「ヒラメより美味」「夏のヒラメはマゴチに劣る」といった評価が出てきます。

正直に書くと、ヒラメは釣ったことがあります。ただマゴチと並べて食べ比べたわけではないので、どちらが上かは判断できません。記憶の中の味と比べても、それは比較とは言えないと思っています。

ひとつ言えるのは、自分がヒラメで一番好きなのは縁側だということです。あのコリコリした食感が目当てで食べているところがあります。そしてマゴチには縁側にあたる部位がありません。縁側はヒラメやカレイのように体の縁に沿って大きなヒレを持つ魚の、そのヒレを動かす筋肉だからです。

なので「縁側が食べたい日」はヒラメに軍配が上がります。逆に言えば、身そのものの味で比べたことがまだないということでもあるので、同じ日に両方釣れたらそこで決着をつけたいところです。

ただ、マゴチ単体で見れば刺身は間違いなくおいしい魚でした。淡白で上品、そしてフグに近い弾力という、他の魚であまり出会わない食感があります。「ヒラメより上か下か」より、マゴチはマゴチとして刺身で食べる価値があるというのが今回の感想です。

逆に煮付けは、少なくともキジハタと並べると分が悪かった。身は刺身に回して、アラだけ煮付けやお吸い物にするのが良さそうです。

このマゴチを釣ったときのタックル

参考までに、この45cmを釣ったときの道具を書いておきます。マゴチ専用のタックルではなく、魚種を決めずに堤防へ持っていくシーバスロッド1本です。

  • ロッド|アブガルシア ソルティーステージ プロトタイプ シーバス XSBS-982M(9フィート8インチ・ミディアム)
  • リール|ダイワ ルビアス 3000番
  • ライン|PE 1.5号
  • リーダー|7号(25ポンド)
  • ルアー|デュエル ハードコア モンスターショット 95mm マットピンク

このマゴチが食ってきたのはシンキングペンシルのただ巻きでした。キャストして着底させてから、モンスターショットがよく動くスピードでただ巻きしてくるだけです。速すぎると浮いてしまうし、遅すぎると動きません。ルアーが一番いい動きをする速度を探して、それを維持する。難しい操作は何もしていません。

マゴチは砂地の底にべったり張り付いている魚なので、底から離れすぎないレンジをキープできるかどうかが肝になります。95mmのシンキングペンシルはその点でちょうどよく、飛距離も出るので堤防から広く探れました。

このタックルで同じ日にキジハタとメッキも釣っています。組み合わせの詳細と、なぜ1本で通したのかは2日間の釣行記に書きました。シーバスロッドそのものの選び方から知りたい場合はシーバスの始め方|初心者向けに道具と釣り方を基礎から解説が参考になります。

よくある質問(Q&A)

Q. マゴチを捌く前に何をすればいいですか?
A. 包丁を持つ前に、キッチンバサミでヒレとトゲを全部切り落とします。背ビレだけでなく、エラ蓋や頭にもトゲがあります。魚に当てる塩水を先に作っておくのも、捌き始める前の準備です。

Q. マゴチはどうやって締めますか?
A. 頭の骨が甲羅のように硬く、真上からでは刃が入りません。頭の骨の付け根の頂点から、斜めに脳へ向けて刃を入れます。

Q. マゴチの捌き方で難しいところは?
A. 横長の体型でまな板に寝かせにくいこと、頭の骨が硬いこと、骨の付き方が独特なことの3つです。腹身のあたりは五枚おろしにすると身が残りにくくなります。

Q. マゴチの刺身はどんな味ですか?
A. 淡白で上品な味で、フグに近い弾力があります。厚く切ると噛み切りにくいので、薄めに切るのがおすすめです。醤油より塩で食べたほうがマゴチらしさが出ました。

Q. マゴチは煮付けにも向いていますか?
A. 食べられますが、同じ鍋で煮たキジハタのほうがおいしかったです。少しパサつきを感じたので、身は刺身に回して、アラを煮付けやお吸い物にするのが良さそうです。

まとめ|マゴチは難易度高めだが、刺身の価値はある

  • 包丁を入れる前に、ハサミでヒレとトゲを全部落とす(エラ蓋と頭にもトゲあり)
  • 締めるときは頭の骨の付け根の頂点から斜めに脳へ。真上からは硬くて入らない
  • 魚に当てる水は全部塩水
  • 体型が横長でまな板に寝かせられないので、押さえる手に注意
  • 腹身の付近は五枚おろしにすると身が残らない
  • 皮は硬い。捨てたが、湯引きは試す価値あり
  • 刺身は淡白で上品、フグに近い弾力。塩が合う
  • 煮付けはキジハタに軍配

捌くのは確かに難しい魚ですが、一度手順が分かってしまえば次からは迷いません。堤防からルアーで狙える魚なので、釣れたらぜひ刺身にしてみてください。

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