根魚の締め方|先にトゲを切る。ハタ・カサゴ・マゴチで違う締める位置

キッチンバサミで切り落としたマゴチのヒレとトゲ ロックフィッシュ

こんにちは、シオカゼです。

キジハタやカサゴが釣れたとき、その場で何をするかで家に着いたときの味が変わります。青物やアオリイカの締め方は別記事に書きましたが、根魚には根魚のやり方があります。

いちばん違うのは、包丁やハサミを入れる前に「トゲ」を片付けないといけないことです。ここを飛ばすと、締めるどころか自分が怪我をします。

この記事でわかること

  • 締める前に、ハサミでトゲを切る。ハタに毒はありませんが、刺さると強烈に痛みます
  • 締める位置は「目とエラの上部の柔らかいところ」か「目と目の間」の2か所
  • マゴチだけは例外。頭の骨が硬いので、付け根の頂点から斜めに入れます
  • 血抜きは青物と同じ。量は少ないですが水中でフリフリすると抜けます
  • 小さくても締めます。サイズで手を抜きません
  • 活かしたまま運ぶより、締めて血抜きした状態で持ち帰るほうがいいと思っています

まず、ハサミでトゲを切る

根魚を手に持つ前に、やることがあります。背ビレをはじめとしたトゲを、ハサミで切り落とすことです。

キッチンバサミで切り落としたマゴチのヒレとトゲ
包丁を入れる前に、ハサミでヒレとトゲを全部落とします(写真はマゴチ)

よく「ハタには毒があるのか」と心配されますが、ハタに毒はありません。刺身でも煮付けでも、普通に食べられる魚です。

ただし毒がないことと、痛くないことは別です。ハタのトゲは鋭くて硬く、刺さると強烈に痛みます。指先に入ると、その後の作業がずっとやりにくくなります。だから僕は、捌く前に切ることをおすすめしています。

魚を押さえる手の置き場を気にしながら作業するのと、トゲがない状態で作業するのとでは、スピードも安全性もまったく違います。

オニカサゴだけは、本当に毒があります

同じ根魚でも、オニカサゴは背びれなどのトゲに毒があります。こちらは「痛い」で済む話ではないので、素手で握らないでください。

オニカサゴを持ち帰るときの手順はオニカサゴの捌き方に写真つきでまとめています。

道具は釣り用ハサミ1本で足ります

トゲを切る、締める、エラを切る。この記事に出てくる作業は、全部ひとつのハサミでやっています。専用の道具をいくつも持つより、頑丈なハサミが1本あるほうが実用的でした。

ハサミの選び方は釣り用ハサミのおすすめ|10年使って分かった「1本で全部」の選び方に書きました。

根魚の締め方|狙うのは2か所

トゲを落としたら、締めます。キジハタ、オオモンハタ、カサゴ、そしてマダイのような魚も、基本は青物と同じ考え方です。狙う場所は次の2つ。

① 目とエラの上部、柔らかいところ

目の後ろからエラにかけての上側に、硬い骨がなく、少し柔らかい部分があります。ここにハサミの刃先を入れます。

青物の脳天締めと同じ発想です。詳しくは青物の締め方と持ち帰り方に書いています。

② 目と目の間

もうひとつは目と目の間です。こちらのほうが位置を迷いにくいので、慣れないうちはこちらのほうがやりやすいかもしれません。

どちらでも構いません。その魚の頭の形を見て、入りそうなほうを選べば大丈夫です。締まれば魚の動きが止まり、体の色が変わります。

マゴチだけは、やり方が違います

同じように底にいる魚でも、マゴチは上の2か所が通用しません。

マゴチの頭を落としたところ
マゴチの頭。この硬さが、締める位置が変わる理由です

理由は頭の骨が硬いからです。甲羅のような硬さで、真上から脳天を狙っても刃が跳ね返されます。

僕がやっているのは、頭の骨(甲羅のような部分)の付け根の頂点から、斜めに脳へ向けて刃を入れる方法です。角度をつけると、硬い部分を避けて届きます。

マゴチはトゲの多さも別格で、エラ蓋にも頭にもトゲがあります。捌き方まで含めた話はマゴチの捌き方と食べ方にまとめました。

血抜き|水の中でフリフリすると抜けます

締めたら血抜きです。やり方は青物と同じで、エラを切って海水に浸けます。

ただ、根魚は青物に比べると血の量が少ないです。浸けただけだとあまり出てこないので、僕は水の中で魚を軽くフリフリと振っています。こうすると明らかに抜けがよくなります。

尾を切ると、さらに抜けます。血は頭と尾の両方から出せるので、理屈のうえではそのほうが確実です。ただ僕はあまりやりません。中型(40cm以下)くらいの魚はしなくても十分きれいに抜けると感じるからです。今後、熟成の為にできるだけ血抜きするように試行錯誤して自分の正解を佐賀時抵抗とも思っています。

持ち帰り方そのものは釣った魚の持ち帰り方|氷締めと血抜きのやり方に書いています。氷の扱いはここ数年でやり方を変えたので、そちらも読んでみてください。

小さくても締めます

青物のときは「40cm前後なら血抜きだけ」と割り切ることがあります。でも根魚は、小さくても締めています。

20cm前後のカサゴでも同じです。サイズで手を抜くと、その分だけ家で食べるときに差が出ます。作業自体はハサミ1本で数秒なので、面倒だと感じたことはありません。

活かしたまま運ぶより、締めて持ち帰る

根魚は生命力が強い魚です。生きたまま持ち帰って、家に着いてもまだ生きているということがよくあります。

それでも僕は、釣り場で締めて血抜きをしてから持ち帰ります。

理由はふたつあります。ひとつは味。暴れさせたまま時間が経つと身に血が回りますし、魚にストレスがかかった状態は味にも出ます。せっかく持ち帰るなら、いい状態で持ち帰りたい。

もうひとつは、正直に書くと個人的に「可哀想だ」と思ってしまうからです。狭いクーラーの中で何時間も生きたまま運ばれるより、釣り場で一度で終わらせてあげたほうがいい。そう思ってやっています。

締めるというと冷たい作業に聞こえるかもしれませんが、おいしく食べることと、魚を苦しませないことは、同じ方向を向いています。

家に帰ってから|洗う水は塩水で

これは釣り場ではなく家での話ですが、合わせて書いておきます。僕は魚に当てる水を全部、塩水にしています。

ボウルに水と塩を入れて作った塩水
ボウルに水と塩。捌き始める前に作っておきます

ボウルに水と塩を入れて、海水くらいの濃さの塩水を作ってから捌き始めます。真水で洗うと身が水を吸って、味がぼやけるからです。血合いを落とすときも、身を洗うときも、この塩水を使います。

よくある質問(Q&A)

Q. ハタに毒はありますか?
A. ハタに毒はありません。刺身でも煮付けでも普通に食べられます。ただし毒がないことと痛くないことは別で、ハタのトゲは鋭く硬いため、刺さると強烈に痛みます。捌く前にハサミで切っておくことをおすすめします。なお同じ根魚でもオニカサゴは本当に毒があるので、素手で握らないでください。

Q. 根魚はどこを締めればいいですか?
A. 2か所あります。ひとつは目とエラの上部にある、硬い骨がなく少し柔らかい部分。もうひとつは目と目の間です。キジハタ・オオモンハタ・カサゴ・マダイなどは、基本的に青物と同じ考え方で締められます。どちらでも構わないので、その魚の頭の形を見て入りそうなほうを選んでください。

Q. マゴチの締め方は他の根魚と同じですか?
A. 違います。マゴチは頭の骨が硬く、甲羅のような硬さで真上から脳天を狙っても刃が跳ね返されます。頭の骨の付け根の頂点から、斜めに脳へ向けて刃を入れると、硬い部分を避けて届きます。

Q. 根魚の血抜きはどうやりますか?
A. エラを切って海水に浸けます。やり方は青物と同じですが、根魚は青物に比べて血の量が少なく、浸けただけではあまり出てきません。水の中で魚を軽くフリフリと振ると、明らかに抜けがよくなります。尾を切るとさらに抜けますが、そこまでしなくても十分きれいに抜けます。

Q. 小さい根魚も締めたほうがいいですか?
A. 締めています。青物では40cm前後なら血抜きだけと割り切ることもありますが、根魚は20cm前後のカサゴでも締めます。サイズで手を抜くと、その分だけ家で食べるときに差が出ます。作業はハサミ1本で数秒です。

Q. 根魚は生きたまま持ち帰ってもいいですか?
A. 根魚は生命力が強いので、生きたまま持ち帰って家に着いてもまだ生きていることがよくあります。それでも釣り場で締めて血抜きをしてから持ち帰ることをおすすめします。暴れさせたまま時間が経つと身に血が回り、ストレスのかかった状態は味にも出るからです。

まとめ

  • 締める前にハサミでトゲを切る。ハタに毒はないが、刺さると強烈に痛い
  • オニカサゴは本当に毒がある。素手で握らない
  • 締める位置は目とエラの上部の柔らかいところ、または目と目の間
  • マゴチは頭の骨が硬いので、付け根の頂点から斜めに
  • 血抜きはエラを切って海水へ。水中でフリフリすると抜けがいい
  • 尾を切るとさらに抜けるが、そこまでしなくても十分
  • 小さくても締める
  • 活かして運ぶより、締めて血抜きした状態で持ち帰る
  • 家で洗う水は塩水

釣り場でかかる時間は、ぜんぶ合わせても数分です。その数分で、家で食べるときの味がはっきり変わります。

締めて持ち帰ったあとの話は、魚ごとに別記事にしています。オオモンハタの食べ方では1週間熟成させた刺身を、根魚の煮付けではキジハタとマゴチを一緒に煮たときの話を書きました。

釣り場でここまでやっておくと、家で寝かせる選択肢も出てきます。キジハタを1週間、マゴチを6日寝かせて食べ比べた記録では、同じ日に釣った2匹なのに結果が逆になりました。熟成は、釣り場での処理で下地が決まります。

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